先日は、黒沢清監督「スパイの妻」がみたくて久々に映画館へ。
「しむら、うしろー!!!」的なのめり込みから、屋台崩しで胸締め付けられる、マスクの息苦しさを忘れる面白さ。映画館が予想以上の人出、閉所で暗闇でマスクという初めての経験で、最初居心地が悪く、まずいぞ、と思ったのですけど、よかった。
蒼井優が演じるヒロインは型にはまらず忖度なし、好きです。昔みたフランス映画を思い出しました。「スパイの妻」とは、他の誰でもない彼女自身の言葉であることがとても面白く、ちょっと笑っちゃうくらい。彼女の魅力をあらわしています。
映画の中で見る731部隊の建物は、本物じゃなさそうですけど、古い写真が持つ怖さがあって、私はやはり写真で見たアウシュビッツを連想していました。それを見ている今のことも考えさせられたから、ますます怖い。お見事です。
ベネチア映画祭の審査員クリスティアン・ぺッツォルト監督のコメントに、「オペラ的なリズムと画作りで政治的ドラマを描く」とありましたが、「オペラ的なリズム」とはどんなものでしょうか。気になっています。
おまけの写真は、映画の前の腹ごしらえ。
誰かと映画を見るときの楽しみのひとつです。この日は無印カフェ。
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